国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2005年7月20日 国際問題に関する調査会 第9号

<議事録>

○大門実紀史君 アジア外交、対中外交も議論してきましたけども、私自身は本当はもっと経済問題を議論したかったというふうに思っております。
 そういうことを中心に発言をしてきましたけど、ただ、今も出ていますけれども、どうしても歴史認識の問題は対中問題を考える上で避けられない問題だったというのも調査会での議論の示したところだというふうに思いますので、私はその問題余り触れてこなかったんで、一言といいますか、簡単にまとめて触れたいと思いますけれども、先日、テレビで自民党の加藤紘一元幹事長が出ておられまして、なるほどなと思うことをおっしゃっておりました。
 一つは、この歴史認識問題というのは、もうほかの国に言われるとか何かの以前に、日本人自身がもっときちっと総括してこなかったんではないかという点を一つ言われていました。靖国神社問題では非常にリアルなことを言われていましたが、遊就館問題、私も非常に疑問を持っておりますけれども、この二つをテレビで発言をされておりまして、全く同感でございます。
 一つ目の、日本人自身がちゃんと総括してこなかったんではないかという点は本当にそのとおりではないかと思いますし、この問題も、ほかの国からいろいろ言われると事の本質が違う方向に行ってしまうと、売り言葉に買い言葉とか、こうエキサイトしていくと。
 例えば東京裁判も、連合軍が勝者の論理で押し付けたという見方だけでいくと、だからけしからぬとなると、だからといって日本が正しい戦争をやったとはならないわけですけれども、そこへ行ってしまう。あるいはこの間の靖国神社の中国や韓国やアジアからの批判も、ほかの国に言われることじゃないというところから始まると、何で行って悪いんだ、どんどん行け、こうなってしまう。そういうぶれがやっぱり生じる。やっぱり日本人自身が、ほかから言われるなんてことでなくって、どう考えるかということがやっぱり問われているんではないかというふうに思います。
 その点で、もちろんここにいる皆さんもそれぞれ意見は違うと思いますが、中国が言うからとかけしからぬとか、そういう話よりも、自分たち、私たち自身できちっとした歴史認識の議論をすべきだというふうに思います。
 靖国神社問題は少し発言したことがありますが、単に戦没者を哀悼する気持ちはみんな持っているわけですけれども、今、遊就館問題というのがアメリカでも取り上げられるようになっていて、非常に問題になっております。遊就館の、五室あるわけですけども、最初の一室はまず日米戦争、日米開戦の経過です。簡単に言えば、ルーズベルトに追い詰められて仕方なしにやったんだというふうな説明になっています。これはアメリカ自身も何だというふうに思うような、そういうふうなことになっている特殊なところであります。
 ですから、靖国神社というのは特別の目的を持った政治団体というふうにもう明らかになってきておりますけれども、そういう問題であるというのも、加藤紘一さんも心配されるようなことが、中国だけではなくって、アメリカとの関係も何が生じるか分からない、憂慮すべき事態が出るんではないかとおっしゃっておりましたけれども、そういうこともあり得る問題だというふうに思います。だから、余り感情的にならないで、一つ一つ冷静にとらえて議論していくことが必要ではないかと思います。
 もう一つは歴史認識以前の問題ですけれども、去年、中国に行きました。ある代表団で行きました。天津の市長が夕食の晩さん会を開いてくれて、日本側から、中国のデモとかいろんなことがあった時期ですから、教科書問題、靖国含めておたくは干渉しているんじゃないかというふうなことを、そういう話題の夕食の集まりじゃなかったんですけれども、突然切り出されて、天津の市長は、最初は友好的ににこにこしていろいろ答えておられたんですけれども、余りしつこく詰められるものですから、もうはしを置いて顔色変えて話されたのは、自分の家族や両親がどうやって日本兵に殺されたかという話をされました。もうそんなリアルな話を聞いて、みんな黙り込んで静かになったという経過があります。
 自民党の団長がさすがにそこをまとめて、乾杯をし直してまた和やかな雰囲気になったんですけれども、私、あのとき思ったのは、歴史認識以前に、何といいますか、そこまでしゃべらせないと分からないのかと、そこまで言わせないと分からないのかと。つまり、人の痛みとかそういうものに対する想像力の問題ですね、こういうものをまず持たないと、この問題の根底以前の問題として持つ必要があるというのを横にいて聞いていて感じたところでございます。
 ですから、いろんなことありますけれども、もっともっと冷静に、もっともっと整理してとらえていくことがこの歴史認識、中国との関係では重要になっているというふうに思っているところでございます。
 以上です。

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