<議事録>
○大門実紀史君 今日はありがとうございます。日本共産党の大門でございます。。
既にもういろいろありましたので、簡潔に二つばかりお聞きしたいと思いますが、東アジア共同体構想との関係でお二人に伺いたいと思います。
〔会長退席、理事山東昭子君着席〕
東アジア共同体構想は、日中が、日中の連携がかぎだというふうに言われておりますけれども、日本の対応については、私前回少し指摘をさしてもらったんですが、とにかくアメリカの顔色をうかがいながら、中国にイニシア取られないように後手後手に回ってきているんではないかという、ちょっと情けないなと思っているんですが、中国も、この東アジア共同体構想における日中の連携という点ではどうなのかなと思っている点がございます。
アジアのASEAN等々とはいろいろ持っていますが、日本との共同というところでは中国も本当にやる気があるのかなというふうなことをちょっと感じているんですけれども、先ほどありました九〇年代半ば以降、いわゆる新安全観への方向転換があって、アジア共同体を重視すると、日本とも共同していくというような姿勢は示されているんですけれども、具体的なところがほとんど日中間では進展しない。
これには中国もかなり責任があるんじゃないかなと思うのは、例えば、日中がやっぱり一緒に考えることというのは、通貨とか金融とか、これは先ほどありました人民元、ドル、円との関係で非常に重要だと思いますし、私なんか、農業なんかも、農業の分業とか協力体制、中国の食料問題というのは必ず大きくなってまいりますんで、そういうことの連携を日中が相談をし始めるとか、あるいはエネルギー問題もそうだというふうに思うわけですけれども、例えばエネルギー問題でも、東シナ海のガス油田の問題で本来もっとアジアのエネルギーについて日中でいろいろ相談しなきゃいけないのにかかわらず、非常にナショナリズム的に双方ともクローズアップすると。
特に、やっぱりここは中国の責任も大きいんではないかなというふうに思いますけれども、お聞きしたいのは、中国が中国のアジア外交、中国の東アジア共同体に向けた思考の中で、日本というのは、何といいますか、ちゃんと視野に本当に入っているのかどうか、日本との共同する気があるのかどうか。その辺を中国が今何考えているか、分かる範囲で教えてもらえればというふうに思います。
それは両先生にお伺いしたいと思いますが、若林先生には、先ほどの質問ともダブるかも分かりませんけれども、この東アジア共同体構想の中で台湾の位置付けというのは非常に難しいと思いますし、台湾は中国本土に企業、企業の輸出としては六、七割、中国本土に進出しているとか、かなり経済関係が中国大陸と深いわけですよね。FTAなんかもASEANとか日本とあるいはアメリカとやりたいと言っても、中国との関係でみんな冷たくあしらわれるようなところがございますよね。そういう中で、非常に東アジア共同体と言われても台湾は難しいところにあると思うんですが、先ほどの質問とダブるかも分かりませんが、今現在、台湾はこの東アジア共同体構想について何か言及していることがあれば教えていただきたいと思います。
以上です。
○理事(山東昭子君) それでは、高原参考人から。
○参考人(高原明生君) 日本は元々、世界の中の日中関係じゃないかとか地域の中の日中関係じゃないかとか言っていたんですけれども、いつの間にかそれを忘れてしまって、一九九〇年代の末になって中国が東アジア協力とかに積極的になると慌ててしまったという、そういう面が確かにあったと思います。
〔理事山東昭子君退席、会長着席〕
何で日本がそういうことになっちゃったかというと、やっぱり九〇年代の経済的な停滞といいますか低迷というのが非常に大きな心理的なインパクトを私たちに及ぼしたんだなというふうに思っているんですけれども、中国はしかし、東アジア共同体、東アジア共同体という言葉を彼らが使い始めたのはほんの最近なんです。東アジアの地域協力を推進しようというときに、日本は最初からやっぱり非常に意識されていたと思いますし、今も意識されていると思うんですね。
例えば、一九九九年にさっき大きなプッシュがあったというふうに言いましたが、二〇〇〇年に、あのときは森首相だったと思いますけれども、ミレニアムサミットでニューヨークで江沢民国家主席と会談したときでしょうかね、もう非常にはっきりと江沢民さんは地域協力を両国が手を取り合って一緒にやっていこうということを盛んに言うんですよね。あるいは、その年に朱鎔基首相が、当時の、日本に来られまして、やっぱり同じように、その地域が大事じゃないかと、地域協力のために日本と中国が手を取り合ってということを言うんですが、そのときの日本人にはぴんとこなかったんですよね。よく分からなかったというのが当時の状況だったんじゃないかと思います。
どうして中国がそんなに日本を意識して東アジア地域協力を唱えるのかというと、やっぱりそこは彼らなりのプラグマティズムがあって、自分たちだけじゃなかなかようやりまへんという、そういう自分の実力についての割と客観的な冷静な評価というのがあるだろうと思います。まだまだ、当時は四倍の開きが経済規模でありまして、今はまあ三倍ぐらいになっていますけれども、やっぱり日本が圧倒的に大きいわけですし、東南アジアとの付き合いの歴史ももちろん日本の方が長い、深いということがありますので、日本と一緒にやらないと、この東北アジア、東南アジアを足した協力は本格化できない、推進できないという、そういう認識が元々あったし、私は今でもあるんじゃないかと思います。
ただ、おっしゃるように、個々の問題になりますと、それぞれの業界の問題もあれば、特にエネルギー開発あるいは海洋開発問題ということになりますと、中国では軍の政治的な発言力が非常に強いわけですし、スムーズにいかない面もあるとは思うんですけれども、ただ私は、日本の態度としましたら、例えばこれは小泉首相になってからですが、朱鎔基さんが日中韓FTAの研究をしましょうというふうに提案をその三者会談のときにされたことがあったんですが、その際に、まあしかし中国はWTOに入ったばっかりだしというような対応をされて、反応をされてしまったんですが、そういうときはもうどんと、よしやりましょうといって研究をすれば、必ず中国はちゃんとできないというのは分かるわけですよね、途上国ですから。それは、日本はもうほとんど関税なんかないような状況ですから。そういうときは、よっしゃやろうという積極姿勢を示して実際に詰めてみると、ああやっぱり君、ここはできないねと、じゃ、私たちもうちょっと待ちますよと、そういう基本姿勢が私はいいと思うんですが、何となく腰が引けたような印象を世界に与えてしまっているという、アピールといいますか、そういう宣伝が上手じゃないという面もかなりあるんじゃないかなと思っています。
○参考人(若林正丈君) 台湾での東アジア共同体の議論というのは、多分私のメディアのチェック等が甘いんだと思うんですけれども、余り、日本で熱を込めて言われているような形での議論というのは余り見掛けないというふうに思います。日本とFTAをやりたいというような話はよくありますが、その一方で、今度は中国とは別の、今度は大きい三通を最終的にやるのかどうかという重大問題というものがありまして、そういうような議論はあるわけですけれども、これはチェックが甘いかもしれませんが、余り公共的な議論の対象になっているという状況ではないように見受けております。