<議事録>(未定稿)
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
赤澤大臣、長いことお疲れさまでございました。
アメリカの対米投資、約八十兆の問題についてお聞きします。
投資といっても、EUの場合は民間主導でありますけれど、日本は、先ほどからお話あったとおり、JBICの投融資あるいはNEXIの貿易保険ですね、保証付き、言わば公的なお金が投資に使われるという点で、何かあれば国民の負担にもつながる話ですので、その点では慎重に考えなきゃいけない問題だというふうに思います。
先ほどから話題になっている投資委員会、協議委員会なんですけれども、そもそもこの投資委員会、日本が参加できない投資委員会が推薦したものをトランプ大統領が決めると。ただ、その前に前段で、協議会で、日本が参加する協議会で意見を言うと、チェックをするという仕組みですけれども、当初、そもそもその最初のこの仕組みの案は、アメリカの投資委員会がもう一方的に決める仕組みだけ提案されたのに対して、日本がそれでは幾ら何でもということでこの協議委員会を要求したという経過があるというふうにちょっと聞いております。つまり、アメリカは最初は日本の話を聞く気はなかったというようなところがあるような種類の問題だということなんですね。
その上でいいますと、確かに、一応、協議会、協議委員会では、先ほどからあったとおり、関連法、関係法令ですね、JBIC法とかに基づいて意見、見解を日本側が述べると。で、利益が見込めないものとか日本に役に立たない、日本にメリットがないものとか採算の見込みがないものは投融資できないということを言うと、ですね。
ただ、現実に考えまして、法律を見ますと、基準を見ますと、今までだったら、JBIC、かなり厳しく審査してたんですけれども、例えば、アメリカの元々要求ですから、将来日本のメリットにもなりますよとか、いろいろくっつけられちゃうと拒否できないというようなことになりかねない、アメリカですからそういう強引なことも押し付けてくるんではないかと思うわけですね。
それで、加藤大臣にまずお聞きしたいんですけど、やっぱりJBIC法というのがありますから、ちゃんと法に照らして融資を考えるとそういうわけにいかないんじゃないかと、きちっとした審査でアメリカにも言うべきことは言わなきゃいけないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに大門委員御指摘のように、国際協力銀行、JBIC法においては、JBICが我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図るための金融機能を担うこと、そして収支の健全性、これの確保、これが明確に定められております。
今回の投資イニシアティブに基づく案件についても、JBICが投資を行うに当たっては、こうしたJBIC法の規定に沿って戦略的、法的に判断が行われるべきものであります。
投資委員会へのインプットの提供に先立つ協議プロセスで、日本政府としては、必要な主張、今申し上げた点を踏まえて主張していくことは当然のことと考えています。
○大門実紀史君 そこはきちっとしてほしいというふうに思います。
赤澤大臣にお聞きしますけど、先ほど赤澤大臣からもありましたよね。これ要するに、トランプ大統領もSNSで言っていますけど、自らの支持基盤、いわゆる寂れた地域、ラストベルトの国内製造業をこのお金で、日本のお金で数十万人の雇用を増やすんだというようなことを言っております。つまり、これはトランプさんの政治案件に投資させる、投資される非常に危険性があるわけですね。つまり、採算性とか事業の成功するかどうかというよりも、まあ言わばトランプさんの選挙、選挙向けにいろんな案件に使われる可能性があるというふうに思うんですね。
大体、このお金そのものが日本から融資、JBICからしても、これは各プロジェクトに融資するんではなくて、一遍、SPV、特別目的事業体に一遍、これ商務省がつくったファンドですかね、集められて、そのファンドが投資をするという形ですよね。つまり、日本が、JBICが投資した案件をずっとチェックしたりできるわけじゃないですよ、この仕組みでいきますとね。
したがって、私、これ大変危ない、高リスクの低リターン、九対一の割合ですから、利益はですね、そういうことになりかねないと。そうすると、これひょっとしたら国民負担につながっていくような案件も投資しちゃうんじゃないかというふうにちょっと思うんですよね。
もしこれで日本の投融資に焦げ付き等が出た場合、誰が責任取るんですか。
○大門実紀史君 まず、私どもの認識とちょっと今違っていることを大門委員がおっしゃったので指摘をしておきますと、SPVですね、スペシャル・パーパス、日本でいうとカンパニー、SPCに当たるものはスペシャル・パーパス・ビークルと彼ら呼んでいますけど、それは案件ごとにつくります。ということなので、そこにファンドをためておいて、案件ごとに個別にあれができないということにはなりません。(発言する者あり)いや、SPVはこれは案件ごとにつくって、そして案件ごとに先ほどの協議委員会、投資委員会との協議をやりますので、案件ごとにきちっと、その法令に反しないか、プロジェクトごとに一個一個が赤字を出すようなものでないかということをチェックしますので、そこについてはMOUをよくお読みいただきたいというふうに思います。
○議長(関口昌一君) 違います。日本のお金はまず商務省のファンドに入って、ファンドがSPCに投資をする形です。そう説明受けました。だってそう言っていますから、向こうは。
いずれにせよ、JBICがちゃんと審査ができない仕組みですので、こういう案件本当に考え直した方がいいということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(中西祐介君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)