<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
法案についてお聞きする前に、この間起きております道路のスリップ事故について質問させていただきます。
ちょっと我が党に寄せられた情報なんですけれども、群馬県の、まあ具体的場所は今ここではちょっと申し上げませんが、スリップ事故が起きました。橋の欄干にスリップして車がぶつかって、車が廃車になるという事故が発生したんですね。最初に駆け付けたロードサービス、JAFだと思うんですけれども、ロードサービスの人がその原因について、当日の朝に散布した粒状の融雪剤、塩化カルシウムですね、これが考えられるということをロードサービスの人がおっしゃったと。で、後で県警が駆け付けて、あるいは、道路管理を行っている土木事務所は、それはちゃんと適切にやっているんだという説明がされて、スリップした事故が原因がよく分からない。それでどうなのかということで。ただ、その五分後にもまたスリップ事故が起きているんですね、同じ現場でですね。
ちょっとどうなっているんだということで、ちょっと調べてみたんです、うちの方でも。そしたら、お手元に資料配りましたけれど、融雪剤、つまり雪を、凍結している雪を解かす融雪剤ですね、黒い粒ですかね、塩化カルシウムの配布基準、これはそれを作っている会社のホームページから持ってきたんですが、要するに、この塩化カルシウム、融雪剤の散布に当たっては、散布指針を守ってくださいと、厳格に守ってくださいと。まき過ぎますと、スリップ事故あるいは環境への悪影響と。つまり、スリップを止めるはずのものがスリップ事故を起こす可能性があるということの注意書きなんですね。
中の方にも書いていますが、標準散布量を逸脱しないように十分注意してということも書かれていますし、散布車、これ散布する車ですね、走行速度と散布量が比例調節できる機構、何かシステムあるんでしょうね、それを備えてくださいと、車に備えてくださいと。それがない車の場合は、散布車の場合は、なるべく一定速度で一定量の薬剤を路面上に均一に散布するように非常に注意をしてくれということが書かれておりまして、特に坂とか、急坂とか急カーブの場合はその散布量が半減できる、そういう機構、何か仕組みですね、装置ですね、というようなことまでかなり詳しく書かれております。
その下は、散布後、路面上に塩化カルシウムが残存してべとついた状態のときですね。これ、下の方に注意書きが書かれておりますが、塩化カルシウムというのは保湿効果があるので、散布した塩化カルシウムが路上に残った場合はべとついた状態になると。そのためスリップが起こしやすい路面を形成すると。ここまで、十分注意してくれということが書かれているわけであります。
ちょっと、国交省としても、これはいろんな、こういうメーカーみんな出していると思うんですが、この注意事項、国交省としてまず承知されていたでしょうか。
○政府参考人(山本巧君) この融雪剤の散布に当たって、この融雪剤メーカーのマニュアルといいますかこのカタログ、これは承知をしております。
でありますので、この融雪剤が、直轄国道においては、この融雪剤の散布に当たりまして、融雪剤が溶けずに路上に残存しないように、融雪剤メーカーの標準散布量も参考としながら、一平方メートル当たり二十グラム程度を目安として散布をするとともに、気温や路面温度などの状況に応じて適宜散布量を調整をしているというところでございます。
○大門実紀史君 それは書いてあるとおりなんですよ。それをちゃんと国交省として周知徹底含めて承知されておりますかと聞いている。
○政府参考人(山本巧君) 直轄国道においてはやっておりますので、それで、地方自治体が管理されている道路についてはまだそうした周知をしてはおりませんので、こうした国の取組ですね、国の直轄道路においての取組、こうしたものを、各都道府県に設置をいたしました道路管理者から成ります道路メンテナンス会議の場などを通じまして、この国の取組などを各道路管理者にしっかり共有をしていきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 事故起きちゃった人にとっては、何でスリップしたか分からないわけですね。もう凍結するからかも分からない、こういう散布剤かも分からないと。とにかく、御本人は分からない。たまたまこの方の場合は、ロードサービスの人がそう言ったので、えっと思ったわけですよね。大体分からないんですよね。スリップして、警察が来て事故処理するだけでね。そうすると、かなり隠れた原因としてこれが考えられるわけですね。だからこそ、これだけメーカーが、これ、いろんなそういうことがあったからこれだけの詳しい注意書きを出しているはずですよね。過去にあったと思うんですよね。
したがって、これをきちっと徹底してもらうことは大事だと思うんですけど、国交省ちゃんとやっていらっしゃるということなんですけど、もし分かればで結構なんですけど、国交省の道路事務所、道路管理事務所は、この散布車で、この機構ですね、走行速度と散布量を比例できる機構というのは、国交省の道路管理事務所の散布車は全部装置されているんですかね。分かればで結構ですよ。
○政府参考人(山本巧君) 今委員御指摘のその凍結防止剤の散布車でございますけれども、この散布車については、この散布する量だとか散布する幅を設定をすると、あるいは車速の変化に追従して散布する密度を一定にするという機能がございまして、基本的にこうした機能を有しておるということでございます。
○大門実紀史君 いや、散布車がそういう機能を持っているのは分かるんですけれども、そういう機構を持っている散布車を、国交省の道路管理事務所で使っている散布車は全部そろえておりますかと聞いている。後でもいいですよ、分からなければ。
○政府参考人(山本巧君) 全てではないという、ちょっと細かい数字を持っておりませんけれども、全てその機能を持っているというわけではございません。済みません。
○大門実紀史君 是非、せめて、せめてというか、まず国交省の道路管理事務所でやる場合の散布車は、できるだけ早くこの装置を持っている散布車を徹底してもらいたいと思うんですね。
やっぱりこのメーカーがここまで書いているというのは、やっぱり幾つもあったからこれだけ注意してくれって書いているというふうに思うんですね。
場合によっては、このケースで非常に注意深く、自分がスリップして車をぶつけちゃったと、それについて原因を調べられるような方がもしいらっしゃった場合、これ下手すると、ちゃんとしたことやっていなかったら訴訟の対象にも、国や都道府県、なりかねない話でございますので、注意喚起をお願いしたいと思います。
大臣、一言いかがでしょうか。
○国務大臣(中野洋昌君) 除雪剤の散布過多のスリップ事故ということで、先ほど道路局長からも答弁させていただいたところではありますが、各都道府県に設置をした道路メンテナンス会議の場などを通じて周知をするということも含めて、しっかりとこうした事故が起きないように対応してまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 是非お願いしたいと思います。
法案の関係で、既にもう青島先生、浜口先生からあったんで、ちょっとダブるといいますか、なんですけど、要するに市町村の技術職員が減っていると。それに対してあれこれ、あれこれじゃなくて、対応しないといけないということだと思うんですけれども、そもそも何で減っているのかという話なんですが、今日はちょっと総務省に来てもらいましたので、市町村の技術職員がなぜこんなに減っているのかというのをちょっと教えてもらえますか。
○政府参考人(小池信之君) まず、地方公共団体の職員数全体についてでございますが、これまで、効率的で質の高い行政の実現を図ることなどを目的として、集中改革プランなど行政改革の取組を進めるとともに、団塊世代の大量退職などを背景に、全体の職員数としては平成六年をピークとして大幅に減少したものと認識しております。
こうした中で、技術職員についてでございますが、平成十年以降、公共事業の減少などに伴い減少傾向にあったものの、近年では相次ぐ災害への対応や国土強靱化への対応などの必要性から増加に転じておりまして、例えば土木技師は微増から横ばい程度、建築技師は増加傾向にあるところでございます。
○大門実紀史君 実は、私の兄弟、こういう土木関係の技術関係なんですね。それだけではないんですけれども、それぞれその現場の話とかよく聞いているんですけど、簡単に言いますと、もっともっと大きな話として、公務員も国家公務員も定数削減になって、新規採用抑えてきて、その中でいろいろ、何というかね、省力化、省人化というようなことで減らされてきたその流れの中で、技術職員まで、大事な命守る、安全守る技術職員まで減らされてきたという、その大本の問題があるんですね。
それで、最近ちょっと災害増えたので増やしているという、そういうことじゃなくて、もっとそこは大本の問題を考える必要があると思うんですね。こういう命と安全を守る職員というのは非常に大事なものでありますので。
それで、取りあえず、そうはいっても足りないから、今回のようないろいろ手を打つということだと思うんで、我が党もこれ賛成は賛成なんですけれども、この連携協力道路制度、いわゆる水平連携という点でいきますと、これ当然、その先ほどあった技術職員のいないところはちょっと大きなところが助けると。そうなりますと、この大規模な大きな地方自治体は人を出さなきゃいけないということになりますよね。そうすると、その今いないところはもちろん助けてもらえるんですけど、ちょっと少しは人がいるところの自治体もまたこれ業務が増えるといいますか、大変なことになりますよね。
したがって、意識的に技術職員増やすことを考えないと、そのちゃんと増やしていますからとかそういうことで済まない、大本から技術職員を増やす方向で考えないと、この取りあえずやりくりしてくれだけでは、いずれもう限界に突き当たるんじゃないかと思うんですよね。
これ、国交省だけで考えられる話じゃないと思うんですけれど、少なくとも命と安全を守るこの分野においての技術職員は増やす方向、増やすことを、まあ財務省相手なのかどこが相手なのかはありますけれど、国交省としては強く求めていただきたいなと思うんですけど、これは大臣、いかがでしょうかね。
○国務大臣(中野洋昌君) 連携協力道路のお話でございます。
この度、連携協力道路制度によりまして、ほかの道路管理者が本来の道路管理者に代わって道路管理を行う場合、代行する側にとっても一定のメリットは生じるのかなというふうには考えております。例えば、一定の事業規模の業務をまとめて発注をするということで、スケールメリットが働くということでコストダウンをすることができるということでありますとか、事業規模が小さいと導入が困難なAIなどの新技術の活用もより可能になりましてメンテナンスが高度化されますとか、こうした効果が期待をされるところであります。
国としても、やはり地方公共団体に対して連携協力道路制度の活用によるメリットというのをしっかり示してこの協議を促していくことが必要だというふうにも考えておりますので、そうしたガイドラインの作成ですとか、あるいは各道路管理者への周知等も含めて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 先ほど申し上げたように、私の兄弟もそうですし、そういう建設関係の組合にもおりましたので、技術職員というのはみんな誇りを持って、また仕事が面白いんですよね、技術関係の方だと。で、そういう仕事就きたいと思っても、例えば公務員の世界でももう定数が採ってくれなかったりということがあって減ってきているというのがあるわけですよね。
やっぱりその定数をきちっと増やしていくということもやっぱり働きかけていってほしいなということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。