国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2018年3月28日 参議院 財政金融委員会 政治家関与疑惑深まる 大門氏 財務省「忖度」の可能性
<赤旗記事>

2018年3月29日(木)

政治家関与疑惑深まる
大門氏 財務省「忖度」の可能性

(写真)質問する大門実紀史議員
=28日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は28日の参院財政金融委員会で、学校法人「森友学園」との国有地取引に関する公文書改ざん問題についての証人喚問(27日)で、佐川宣寿前財務省理財局長が自民党議員の尋問に対し、改ざんへの政治家の関与を否定したほか、「森友」疑惑全体への政治家関与も「聞いていない」と“伝聞”の形で否定したのは、「あらかじめ想定していたかのような答弁で、かえって疑惑が深まった」として、国有地売却交渉当時の理財局長だった迫田英典氏や近畿財務局長だった武内良樹氏らを参考人として呼ぶよう求めました。

 長谷川岳委員長は、理事会で協議すると約束しました。

 また、籠池泰典同学園理事長(当時)が手紙で10年定期借地から50年定期借地にした上で「早い時期に買い取る形」への変更などを求めたのに対し、安倍晋三首相の妻・昭恵氏付政府職員だった谷査恵子氏がファクスで「これ以上の長期定借は難しい」などと返答したことだけを指して「ゼロ回答」だと主張する安倍首相に対し、大門氏は、森友側の要求が結果的にことごとく実現したことを示し、「ファクスだけ取り上げて『ゼロ回答』だと言うのは逆の誤解も与える。事実は事実として捉えてはどうか」と主張しました。

 安倍首相は「外形的な事実は大門委員の言うとおり」だと認めながら、事態を大きく変えたのは「新たなゴミ」発見だなどとして、「ゼロ回答」との主張は変えませんでした。

 大門氏は、谷氏の問い合わせで財務省側の「忖度(そんたく)」が起きた可能性を指摘し、「ゼロ回答」だとの主張は「印象操作にすぎない」と批判しました。

<議事録>

○大門実紀史君 総理に伺います。
 昨日の証人喚問、佐川さんのですね、肝腎なことは何にも答えないひどい中身でございましたけど、総理としてはコメントを差し控えるということでございますが、ただ、丸川珠代さんの質問というのは、またあれ逆効果じゃなかったかなと思うんですよね。何が、何が逆に政治家の関与とか、そういうものがないということが証明されたどころか、かえって深まったんじゃないかというふうに思うわけです。だから、逆に本当に更に火に油を注ぐような結果になっているんではないかと思うんですけれども。
 佐川さんが、政治家等の関与がないと。私は改ざんについてまで政治家などが指示するということは余り考えられないんですけれども、ないとは言いませんが、昨日の佐川さんに丸川さんが聞いたのは、更に広げて、森友問題、この問題に関して全体についてどうですかというようなことを聞いて、どういうわけか佐川さんはそれについても、自分はそういう関与を聞いておりませんという形で、ないということをおっしゃったんですね。伝聞なんですよね。
 だって、国有地の売却のときの当事者は佐川さんじゃありませんから、迫田さんとか武内さんでありますから、聞いてないということをあんな場で、いかにも何かあらかじめああいうことが想定されていたのかと思うような答弁をさせるといいますか、かえって疑惑が深まるというようなことになったんではないかというふうに思うんですよね。何の、何も政治家の関与がないということが明らかになっていないと、逆に。ああいうことをやれば、かえってみんな疑うということを厳しく申し上げておかなきゃいけないのと、そういうことならば、まさに迫田さんと武内さんを参考人で、少なくともまず参考人で話を聞く必要があると、佐川さんがあそこまで言うならですね。
 それで、思うんですけれども、前回、前々回というか先日、古賀理事がこの委員会に、あれは武内さんと飯塚さんでしたかね、呼ばれましたけど、それぞれ普通の政府参考人で呼ぶと、それは自分の今の立場で答えることではないと、それで来たんじゃないというような、そういうふうに言われると思うんですね。
 私は、この森友関連の問題で、これについて答えてもらうための参考人として、この委員会として、予算委員会で一度やったことありますからね、この問題を答えるための参考人として迫田さんと武内さんを呼んでもらうということを理事会で協議してほしいと思いますが、いかがですか。

○委員長(長谷川岳君) 後刻理事会において協議をいたします。

○大門実紀史君 この問題は、今、大塚さんからもあったとおり、何がそんたくで何が暗黙の了解で何が圧力で何がこうというのがグレーゾーンの問題ではあるわけですけれども、はっきりしているのは、この問題は、実際に罪に問われるとしたら、これは役人になりますね。公文書改ざん、罪に問われるとしたら偽造罪ですか、その実行犯としては、これは役人しかありませんから役人の方になると。もし国有地を不当に安く売却したら、そのときの担当者は背任罪ですかね、これも、そのときの職員、役人になるというようなことがあるわけですね。
 しかし、よくよく考えてみると、そういうことを役人が自発的にやるものかどうかということがずっと疑惑にあって、その背景は何なのかと。先ほどあったような暗黙の了解なのか要請なのかそんたくなのか何なのかということがずっと疑惑として払拭できないと国民の皆さんも疑問が高まるばかりということ、そういう問題であるわけです。
 その中で唯一、安倍総理の妻であります昭恵さんが直接何か、名誉校長とか何かそういう、何といいますかね、状況的な話じゃなくて、直接何らかのアクションに関わられたのが例の谷査恵子さんを通じてのファクスでございます。働きかけなのか、問合せをしただけということが相手にとっては働きかけと映るのかどうか、受け取るのかどうか、これは相手によるというふうに思います。場合によっては、問合せでもこれは働きかけだというふうに捉える場合もあるから、これは受け止める方がどうかということはあると思うんですけれども。
 ただ、その点では総理に伺っておきたいんですけど、働きかけしたかどうか、しておりません、していないと、したがって相手もそんたくしていないということをおっしゃってまいりましたけれども、働きかけというのは、問合せだって相手にとっては働きかけになる場合もあるわけですね。そういうふうに捉えておくべきではないかと。相手の受け止めもあるということを捉えておく、それぐらいの度量といいますか、政治家は持っておくべきではないかと。だからこそ、ふだん気を付けなきゃいけないわけですけれども、その点、総理、いかがお考えですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 結果からは、私の妻も、私もそう思っているんですが、名誉校長を引き受けるべきではなかった、こう思っておりますし、その点は反省をしているところでございます。
 夫人付きからのファクスの件については、財務省に問合せを行った結果として夫人付きが作成したものであり、法令や契約に基づく対応を説明したものであります。国有財産に関する問合せに対する一般的な内容であって、仮に籠池氏側から財務省に対して直接問合せがあったとしても同様に答える内容であると、こう承知をしております。
 そして、念のために申し上げますと、籠池氏からの書面に対して、夫人付きからファクスにて、籠池氏側の要望に沿うことはできないときっぱりとお断りをしたと承知をしておりまして、いわゆるゼロ回答であったと、このように思うところでございます。
 なお、妻はあくまで夫人付きから回答を送る旨の事前の報告を受けただけでありまして、要望に沿うことはできないとお断りの回答をする内容だったと記憶していると言っているわけでありまして、また、内容については関与していないということをはっきりと言っているところであります。
 いずれにいたしましても、そもそもこの名誉校長を引き受けるべきではなかったと、このように考えております。

○大門実紀史君 そうですね。
 私は、昭恵さんが何か強引に何かやったとか、そういうことで今この問題を取り上げているわけではなくて、相手がどういうふうに思ったかとか、実はこれ、ゼロ回答、ゼロ回答というのが総理もこの間委員会でおっしゃっていますけど、実は私、去年の三月の決算委員会でこの問題を取り上げさせていただいて、そう単純ではないですよということを資料に基づいてお示ししたわけでありますけど、この間もまたゼロ回答、ゼロ回答ばかりおっしゃるので、ちょっともう一度きちっと捉えていただきたいなと、また、今現在での御見解も伺いたいなと思って資料を一枚用意をいたしました。これ、去年の三月末の決算委員会、テレビで放映していただきましたけど、そのときにも申し上げたことであります。
 要するに、このファクスでお答えをされたと。手元にファクスございますけれども、現物ありますが、内閣総理大臣夫人付け谷査恵子さんですね。これだけ見ると、何か断っているな、取りあえずできないとか言っているなということをおっしゃってゼロ回答、ゼロ回答ということをおっしゃっているんですが、実は、それだけ見ると分からないんです。籠池氏が、これは総理もこの手紙はお読みになったというふうに当時お答えになっておりますけれども、菅官房長官も全部読んだとおっしゃっていましたが、籠池さんが、内閣総理大臣夫人付け、もうすごい字で谷査恵子様ということでお願いの手紙を出しているわけですね。これについてファクスで谷さんが答えているという、こういう形でありまして、この手紙についての答えというふうに見る必要があるんですね。そうすると全然違う輪郭が浮かび上がってまいりまして、もう分かりやすく一覧表にいたしましたけれども。
 籠池さんが二〇一五年十月に要望したのは、定期借地十年は短過ぎる、五十年でやってほしい、五十年にしてほしいということを確かに書いてあるんですけれども、実は一番の眼目は五十年にしてくれということではなくて、この手紙にはっきり書いていますけど、総理もお読みだと思うんですけど、早く買い取ることができないかと、これが一番なんですね。このファクスにはその部分がなくて、長期の五十年なんてことは難しいですよということしかないのでゼロ回答だというふうにしているわけですけれども、実際には、早く買い取ってほしいというのが籠池氏の要望だったわけですね。これが実は、このときは要望してすぐですからあれですけれども、その半年後、二〇一六年六月二十日にはこれが実現しているわけであります。したがって、ゼロ回答ではなくて、時間差はありますけれど、籠池さんの要望に応えているわけですね。
 二つ目の、もうこれも、土地の汚染等を理由に、要するに月額の負担を下げてほしい、二百万なんか払い続けられない、半分にしてくれというのが要望だったわけですね。これについても、ファクスについてはすぐできませんというようなことが書いてあるんですけど、要するにこれも、月額換算で百万円程度に、要するに今度は賃料が高い、毎月の負担が高いという要望だったんですけど、結局これも実現されているわけでございます。これは、細かい経過見ていますが、売買契約を締結して、月払の支払える額は籠池氏が払えると言った百万円以内に抑えていると、百万円程度にしたということなんですね。ですから、これも形としては、籠池さんが毎月払えない、もっと、半分にしてくれと言ったことはほぼ実現しているわけであります。
 三つ目に、この工事費の立替えなんですけれども、これは平成二十七年度予算で工事費を、ごみの撤去等を立替えした分を返してくれると言ったのに、何で二〇一六年度になると言うんだと。二〇一五年度ですね、二〇一五年度中に返還してくれると言ったじゃないかということを文句言っているわけですね、手紙では。これは確かに、二〇一五年度中、何でだと言ったんですけど、年度替わってすぐ、僅かほんの一、二か月でちゃんと予算措置されて払われているわけでございます。二〇一六年四月六日だからすぐ払われているわけですね。
 したがって、ゼロ回答ではなくて、これはどう見たって、時間差はありますよ、このファクスだけ見るとそう見えますけれども、籠池氏のこの手紙を見れば、これ全部要望が実現しているということになるわけですね。ですから、それについて安倍昭恵さんが、あるいは谷さんが何かその後ごりごりやったとかそういうこと言っているんじゃないですよ。ゼロ回答ではないんじゃないですかと。これ、結果的に要望実現しているわけだから、手紙の、籠池氏の要望には応えたことになっているのではないですかと。この認識は持っていただきたいと思うんですが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今ゼロ回答と申し上げたこの、具体的には理財局長の方でお答えをいたしますが、ざっくり言いますと、言わば二〇一五年の十月の籠池氏の手紙の一番目は、これはまさに定借についての要望であったわけでございますが、その後の動きについては、これ一六年の三月にごみが出てきているという新しい事態の中においてのこれは買取りでありまして、これ、定借と買取りは違うと。で、確かに大門委員が言われるように、早い買取りが実現したではないかということでございますが、その前にごみが出てきたという事実があると。
 次の二番目も、これは賃借料でございますが、その後の買取り、これは買取りで、これは十年間の分割ということでございますが、その間もごみが出てきているということだろうと思います。
 最後のところについては、言わばこれはまさに一五年度予算から一六年度予算措置ということでお答えをしているということでその当時お答えしたということでございます。
 詳しくちょっと局長から。

○委員長(長谷川岳君) 手短にお願いします。

○政府参考人(太田充君) 簡単にお答え申し上げます。
 総理から簡潔にお答えがあったとおりで、上の二つはいずれも二〇一六年の三月に地下埋設物が発見されたことによって状況が変わったからこういう結論になっているということでございます。
 三番目のは、先方の二〇一五年度中という御要望に対して、結果的には二〇一六年度になっているということでございます。

○大門実紀史君 籠池さんという方は何だっていいんですよ。早く買い取れて負担が減れば何だっていいんですよ。要するに、私余り決め付けはしたくないからただ起きた事実だけを申し上げると、このファクスがあり、それでもまだ翌年になって鴻池さんの事務所に近畿財務局の対応が悪いとか、まだちょこちょこいろいろあるんですよ。いろんなことはあるんですけれども、結局、その二〇一六年の、この翌年の三月頃から、新たなごみが見付かったとかいろんなこと、何があったか知りませんけど、何があったか知りませんが、結局、籠池氏の早く買い取りたいということと月の月額の負担を減らしてくれということは実現しているんですよ。経過はそうですよ、経過はそうだけど、彼の要望は実現しているわけですね、形が違うだけで。彼は形はどうでもいいんですよ。早く買い取れて月の負担が安ければどうでもいいんですよね、そういう人だというのはお分かりだと思いますけれどね。それで実現しているということを申し上げているわけで、何もその経過は違うと言っているわけじゃないんです。
 結果的にそういうことは実現されているのに、このファクスだけ取り上げてゼロ回答、ゼロ回答、ゼロ回答と言われるのは、ちょっとそれはまた逆の誤解も与えるんじゃないかと。事実は事実としてそういう経過だというふうに普通に捉えられたらいかがかということを総理に申し上げているだけでございます。いかがですか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外形的な事実について大門委員もおっしゃっていると、こう思います。それは事実であろうと、どういう経緯でどうなっているかということでございますが。
 ただ、先ほど申し上げましたように、ごみが出る以前と以後ということで大きな変化が起きているというのが私どもの認識でございまして、理財局もそういう認識であろうと、こう思うわけでありまして、まさに理財局側がどのような認識を、妻の夫人付きからのファクスをどのように受け取ったかという、受け取ったかということについては私は実は答えようがないわけでございますが、理財局の方としての認識は先ほど太田局長から……(発言する者あり)あっ、問合せに対する、どのように受け取ったかということについての認識も含めて、この動きはどうして起こったかということについてはもう既に述べたとおりであろうと。その中から、これはやっぱりゼロ回答であったということと、この右側の動き、その後の動きについては、これはまさにごみが出てきたということで大きく変わったということだろうと、私はこのように理解をしております。

○大門実紀史君 ですから、あえてどうしてもゼロ回答という印象を、本当に印象操作だと私は思っちゃうんですけど、もしそう言うんだったらば、このファクスの時点では、回答した時点ではとおっしゃるべきで、いかにも全部はねのけたようなことではないと。具体的なアクションとしてあるのはこれだけなので、逆にここのところで何かゼロだゼロだというふうにされない方が、もうありのままに、ここまで来るといろんなことを御答弁でもされたらどうかというふうに思うわけであります。
 そういう点で指摘をしておきたいと思いますので、ゼロ回答という場合は限定的なおっしゃり方をされた方が逆に事実に近いんじゃないかと思うわけでございます。
 この全体が動くのは、やはり迫田理財局長、武内さんが近畿財務局長になった二〇一五年の夏以降ですよね。九月三日、四日、五日の話は何度もありますけど、私よく分かりませんけれども、具体的な事実としては、名誉校長に九月に就任されて、昭恵さんがですね、今言った十月二十六日の籠池氏から手紙が来て、十一月十七日にファクスで回答されていて、それからずっといろんなことが動くわけですね。突然ごみが翌年見付かったと、新たなごみが見付かったということで、異例の、異例のというか、何といいますかね、どうしてあんな値引きになるんだというような疑惑の算定がずっと行われるという流れになってくるわけであります。
 ですから、ここのファクスのやり取りというのはみんなが注目するわけでございますので、そこはやっぱりきちっとした御答弁をお願いしたいというふうに思うわけです。
 この一年、私、余り森友問題ばあっといつも取り上げてきたわけではありませんけど、総理は、今日の予算委員会等も、この間ですけれども、昭恵さんが名誉校長に引き受けたことを反省するということを繰り返しおっしゃっております。そんたくも関与もなかった、全く土地の売却にも何も働きかけもしていないということならば、そんな反省反省と、誤解を与えたということならば前からあるわけですね、今になって反省反省とおっしゃることもないんじゃないかと。今までどおり、疑う方が悪いんだと、もう堂々とされていてもいいんじゃないかと思いますけれど、なぜ反省反省と、こう殊勝に変わってきたんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今回、決裁文書の書換え問題をめぐって、行政全般に対する国民の皆様の信頼を揺るがす事態になっているわけでございます。
 その中におきまして、私の妻が名誉校長を引き受けたということ、名誉校長を一時務めていたということをもって、これを関わりがあったのではないかと、こう国民の皆様から疑いを持たれたこと、これは当然のことであろうと、こう思うわけでございまして、そういうところまでに思いが至らなかったという点について反省をしているということでございます。

○大門実紀史君 太田理財局長に昨日の佐川さんとの関係で一つだけ今日聞いておきたいのは、佐川さんが改ざんを指示したであろうと。その理由は、自分の答弁に合わせるために改ざんしたんじゃないかということを麻生大臣もずっとそういう話をされてきて、途中で若干、それだけではなくて、うちの辰巳孝太郎の質疑のときでしたかね、当時の政治状況とかいろんなことも含めて、単に自分の答弁の、合わせる、それだけではなくて、当時のいろんな状況も含めて佐川さんが改ざんに関与したんじゃないかというようなことをおっしゃっていましたけれど、昨日佐川さんは一切それについておっしゃっておりませんし、なおかつ、佐川さんがお辞めになるときは福田事務次官にいろんな話をしたけれども、この改ざんについて、その関与については刑事訴追のおそれがあるので申し上げられませんということを福田さんにそう言ったと。
 ならば、本当になぜそういう佐川さんが改ざんに関わった、それは、疑いは別として、あるとして、なぜ改ざんした理由まで、なぜあなたは御承知なんですか。

○政府参考人(太田充君) 関係した職員から聴取をした結果としてそう整理をしております。まだ佐川前局長が指示をしたということは一回も申し上げたことがありません。そういう結論に至っていないからです。関与の度合いが大きかったのではないかというふうに答えております。
 それは、一つは当時のトップであったこと、もう一つは、書換えが行われたのが二月の下旬から四月にかけてということでございますが、二月から三月までの、それまでの国会答弁が誤解を受けることのないようにということで、それまでの国会答弁というのは、今ほど委員がおっしゃられたように、当時の理財局として、理財局長の答弁だけではなくて、当然それだけではないということを申し上げたつもりで、それはずっと最初から最後まで同じことを申し上げているつもりでございます。
 佐川前局長から聞いたことは、今ほど御紹介あったように、福田次官が聞いたことであって、それは、昨日の証人喚問のときも基本的に同じことをおっしゃられているというふうに私はお聞きをしておりました。

○委員長(長谷川岳君) 大門実紀史君、時間が来ております。

○大門実紀史君 はい。
 今日はもう終わりますけど、先ほど申し上げました参考人の招致をよろしくお願いしたいと再度申し上げて、質問を終わります。


討論

○大門実紀史君 反対の討論を行います。
 国民の財産である国有地をなぜ財務省が異例の手続と破格の安値で森友学園に売却したのか、その全容解明は財政金融委員会としても重要な課題でありました。ところが、財務省は、この一年、各委員の質問に対し、事実を隠蔽し、改ざん文書を提出した上に、虚偽の答弁を繰り返してきたのです。このことは、国政調査権をじゅうりんし、委員会審議を冒涜するとともに、国民と国会を愚弄する前代未聞の犯罪行為であり、断じて許されるものではありません。
 昨日、佐川前理財局長の証人喚問が行われましたが、疑惑の解明は全く進みませんでした。一刻も早い真相究明のために、野党が要求している方々の証人喚問の実現に与党も速やかに協力するよう強く求めます。
 アベノミクスの下、貧富の格差は急速に拡大し、格差是正が喫緊の課題になっています。今なすべきことは、もうかっている大企業や富裕層からもっと税金を取り、その分、国民生活を支援する予算を充実することです。ところが、今回の税制改正では、賃金引上げ促進を口実に更なる大企業減税が盛り込まれています。大企業は既に四百兆円を超える巨額の内部留保をため込んでおり、賃上げ支援措置など全く必要ありません。またまた内部留保が積み上がるだけです。
 そもそも、今回の法人税減税は、アメリカ・トランプ政権の法人税の大減税を見習って日本も更に実効税率を引き下げろという経団連の要望に応えたものであり、国際的な法人税の引下げ競争を加速する懸念があります。際限のない減税競争は各国の国家財政を侵食し、社会保障の切下げや庶民増税につながります。
 また、給与所得控除の見直しによる中間層を含むサラリーマン増税も問題です。所得の再分配を図るなら、二百三十万人ものサラリーマンに増税するのではなく、富裕層優遇の証券税制を見直し、欧米並みに課税を強化すべきであります。
 以上を申し上げ、反対討論といたします。

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