<議事録>
○大門実紀史君 私も、十分だけですけれども、森友問題を取り上げます。
佐川さんのことでありますけれども、もちろん全体、彼の責任が重いのは想像できるところでありますけれど、ただ、全て佐川さんの責任なのかと。この間、何かもう悪いのは全て佐川、理財局、そして財務省と、政治とか与党は関係ないと、ましてや総理夫妻は何の関係もないというようなことで、何というか、非常に嫌な議論が、予算委員会もずっと座っておりますけど、されているような気がいたします。政治家とか与党議員が役人に全て責任があるということだけでいいのかなと。仮に役人が起こした不祥事でも政治家にも責任があると、与党にもあるというのがしばらく前の自民党の、何といいますかね、器じゃなかったのかなと思うんですけれど。
何か、昨日の予算委員会聞いていても、もう財務省攻撃というか個人攻撃、あんな嫌な質問をよくやるもんだなと、あそこまであの自民党は劣化したのかなと思うぐらいですよね。ちょっとぞっとするんですよね、この雰囲気というのがですね。もうちょっと政治の責任とか、俺にも責任があるというぐらいの議論ができないものかというふうに思います。
そういう中で、その佐川さんの問題なんですけれども、私も彼とは、ちょっと長いこと知っていますので、責任はあると思うけれど、ここまで個人的に攻撃されるものなのかという気もいたしております。ちょっと今日聞いていて思ったんですけど、そもそも佐川さんの懲戒処分の理由なんですけど、減給二〇%、三か月というのはかなり重い処分であります。調べてもらったら、過去に二件、公務員関係でありましたけれども、平成二十二年と平成十五年、分かる範囲でもですね。これも、こんなもんですよ。相当重いですよね。
その理由を、先ほど麻生大臣のお話だと、国会答弁で混乱させたと、資料を国会に提出すべき責任者であったと、管理責任を持っていたということの処分、それが理由で減給二〇%、三か月ということですよね。つまり、ここには、改ざんをしたと、文書の改ざんというのは処分理由に入っておりませんよね、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 入っておりません。
○大門実紀史君 だったら、不思議なんですよね。この間、もう佐川さんが改ざんしたかのような議論がずっとあって、麻生大臣そのものが、佐川が改ざんしたのは自分の答弁に合わせるためだろうというようなことを大臣そのものがおっしゃっていますね。全てもう佐川さんが改ざんしたということ前提の質疑、議論がずっと進んでいるわけであります。
まだなぜ改ざんしたかどうかも分からないのに、佐川さんが改ざんした理由まで大臣が述べられるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもの判断といたしまして、基本的に本人が退職を希望しておるものの中で、いわゆる本人からのいわゆる申出というものの中に、いわゆるどの程度関与したか等々いろんな話が今なされておりますけれども、私どもといたしましては、少なくともあの段階で、文書は改ざんされた等々の話は三月の十一日まで私は知っているわけではありませんので、そういった意味では、あの段階で、三月九日の段階で本人のその文書の改ざん等々についての私の判断は、全く知ったものはありませんから、その上で申し上げておりますけれども、本人から申出があったとおりなんですけれども、いわゆる理財局長時代の対応で、国有財産というものに対する、まあ国有財産行政といいますか、そういうものに対する信頼を損なったということで信用失墜行為に該当するというように自分なりに思っているということもありましたので私どもとして懲戒処分を行ったというのが背景でありまして、その中で改ざんとか書換えとか差し替えとか、そういったものがその段階で判明したのに基づいていわゆる懲戒処分をしたというわけではありません。
○大門実紀史君 分かっています。だったら、なぜ改ざんの理由を大臣が述べられたり、昨日の予算委員会でも、もうすごいですね、もうみんな佐川が悪いような話に持っていくんですよね。佐川さんが改ざんしたことを前提にして質問をしているわけですよね。
そもそも改ざん前の文書をそのまま出したっていいじゃないかと、何で悪かったんだと、あんなもの。それは、今となっては、いろんなことが報道された後、一年たっていますよ。去年の二月、三月にあの四月三十日のその特例の文書を出していたら、私たちは佐川さんに資料を出せと、出してくれと、で、分かりましたと言ってあれそのまま出していたら、どうなっていましたか。大変なことですよ。だって、うちが、昭恵さんが名誉校長って最初二月十七日に衆議院で出ただけでも大ニュースで、うちが鴻池さんの文書を最初匿名で出して、御本人が記者会見した、あれだけでも、うわっでしょう。あのときにこれだけのことが書いてあるのをそのまま出したら、国会も止まって止まって、大変なことになりましたよ。それを今頃になって自民党の皆さんは、これ出したってよかったじゃないかと。これ、何で、何で、何でこんな隠していたんだと。それは今だから言うような話で、あのとき出すに出せなかったというのは当たり前のことでは、そちらの立場としてはね。
太田さん、どうですか。あんなもの出せましたか、あのときに。国会、大混乱したんじゃないですか。理財局長としてどう思います。
○政府参考人(太田充君) いろんな御質問を昨日も頂戴して、今日も頂戴しましたけれども、今の仮定の質問に私に答えろというのはそれはちょっと酷なので、それは無理だと思います。
ただ、ただ、これまでも委員会で御答弁したつもりですが、おっしゃるとおり、それは、委員のおっしゃるとおり、時期が違う、あのときの状況でそれは大変だった、大変になるというのは私も想像はできます。ただ、ただ、生意気なことを言うようですが、それでも説明するのが我々の政府の責任なので、あの決裁文書を直すということをするのは、それは、何といいますか、物すごいことなので、それは、そんなことをするということは私には、正直に言えば、そこまでのことを結び付けるという、そういうことはないというふうに思っております。
○大門実紀史君 つまり、出したってよかったというのは、政治へのそんたくなんかしていないということで言っているだけのことなんですよね。政治へのそんたくということに及ばないように、こんなもの出したってよかったんだと今頃になって言っているだけとしか思えません。
それで、佐川さんの答弁に合わせて変えたと言うなら、なぜそもそも佐川さんがあんな答弁をしたかですよ。何のために、資料はない、交渉なんかしていない、政治家の関与はないと、なぜあの答弁をしたかですよ。答弁に合わせて変えたと言う前に、なぜしたかですよね。
これが疑問だなと思っていたら、昨日また予算委員会で自民党の議員のある方が、国会で波風を立てたくなかったんだと。予算があり、法案もあると。国会を波風立てなくスムーズに進めるためにあんな答弁をしてしまったんだと。こんなことあり得ますか。あり得ますか。予算早く通してほしい、法案を通してほしい、だから、分かっているのに、犯罪になるのに、ああいう虚偽の答弁といいますか、もう当然犯罪だと分かっていると思うんですけど、犯罪的な行為をやるということがあり得ますか。あり得ないでしょう、そんなことは。
だから、これも全て佐川さんの答弁が、なぜやったかといったら、自分の答弁に合わせるためだと。じゃ、なぜその答弁したかといったら、国会をスムーズにやるためだと。全て政治のそんたくに、影響が及ばないように、全て佐川のところで完結させるような、こんなことを、もう情けないですよ。もっときちっとした議論をしてほしいんですよね。
誰に聞いていいかと思いますけど、もう最後、麻生さん、今後これ続きますので、もうちょっときちっとした議論をしてほしいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃる意味、よく分かるところではありますし、いつでしたか、どこかの偉い新聞社の方に伺いましたけれども、記者が記事を訂正するときに、社長の顔を思い浮かべて記事など訂正したことなどはないと。局長なんというのも顔も出てこぬと。出てきて、デスクかキャップぐらいの顔しか思い浮かばないものが普通なんだと。
けれども、しかし、しゃべっているのに合わせざるを得なかったというところですけれども、そのしゃべる元が、何でしゃべったかというところが大門さんのおっしゃるように問題なんだと言われりゃ、確かにその点はいろいろ考えて配慮をされたんだとは思いますけれども。
しかし、いずれにしても、大門先生、一番問題なのは、そう答弁したのはいいけど、それに合わせて書き換えちゃったというところが一番のこれは問題なんだと。私どもはそこが一番の問題。じゃ、佐川がそれ命令したのかと。こういうふうに書き換えろというように命令したのかと言われると、それは、私ども今の段階でそれが分かっているわけではありませんし、少なくとも、書いた本人も佐川に合わせて全部書き換えていったという、それほどのことをするかなという感じもしますし、また、少なくとも公文書のいわゆる書換えですから、ちょっとこれは事が事なのでそんな簡単にと思いますけれども、まあ一生懸命というところもあったんだとは思いますけれども、いずれにいたしましても、今おっしゃったように、一人の責任とかいうような話に押し付けて帰結させちゃうようなものではないのではないかという御指摘は、私どもも重く受け止めねばならぬと思っております。
○大門実紀史君 終わります。